概 要

じゃんけんは、手だけを使って3種類の指の出し方(グー、チョキ、パー)で三すくみを構成し、勝敗を決めるゲームです。日本国内では「じゃいけん」「いんじゃん」など地域によって様々な呼び方がります。英語圏の場合、イギリスでは "Scissors Paper Stone" などと表現されることもありますが、世界じゃんけん協会のあるイギリス(現在の本拠地はカナダ)やアメリカ合衆国を含めて多くは "Rock-paper-scissors" という呼称が使われています。

日本じゃんけん協会の英語表記はJapan Rock Paper Scissors Societyとしています。

 

※RPS・・・アメリカ圏でのじゃんけんの略。

 

※三すくみ・・・3種の中で互いが強弱関係にあり、3種の力が均等にかかわりあい、存在するもの。

 

歴 史

日本のじゃんけんについての研究は少なく、現在は 「伝承遊び考4じゃんけん遊び考」(2008年)加古里子、「拳の文化史」セップ・リンハルト(1998年)が重要な文献となっています。

 

じゃんけんの「けん」は中国語の「拳」であることは確かで、拳遊びの多くは江戸時代に日本に伝わりました。それ以前にも拳あそびが伝承されていたと推測は出来ますが、確かな文献は江戸以降になります。

 

まず、数拳(長崎拳、豁拳)という数を言い当てるゲーム、今でいう親指を立てて、いっせーのーせ2!と当てるゲームのようなものが少なくとも江戸時代(1650年代)には中国から九州・長崎に伝わったとされています。

 

その後、虫拳、虎拳、狐拳、藤八拳などの、日本独自の三すくみ(=3っが互いに強弱関係にあり成り立っている)が考え出され、一大拳ブームがおこりました。この頃には、拳仲間の間で派閥ができたり、お座敷遊びとしての型ができたりと、色気のある拳あそびが考えだされたりと、大人の遊びとしての広がりがでてきました。元々、数拳も負けた人が酒を飲む罰ゲームなど、大人の遊びとして広がりました。

確たる記録はないですが、日本の三すくみ拳の源流であった可能性のある「虫拳」は、中国が唐の時代に伝来した可能性があります。

この三すくみブームの頃に「石拳」があり、のちの「じゃんけん」となるのですが、大きな広がりを見せることもなく、少なくとも大人が遊ぶものではなく、記録もほとんどありません。

しかし、大正から昭和に移る頃、藤八拳などの三すくみ拳ブームが終わりに向かっていると同時に、石拳=じゃんけんがこどもを中心に広がりを見せてきます。

そして、昭和に入り「じゃんけん」は、さらなる広がりを見せ、現在、大人もこどもも出来る拳あそびとして認識されています。

 

じゃんけんはなぜブームもなく、大きな広がりを見せたのかというのは、この「石、ハサミ、紙」という三すくみこそ、最高にシンプルでわかりやすく、手軽な動きで出来るからだと考えます。

このシンプルさに、江戸時代の大人は見向きもしませんでしたが、結局一番のひろがりをみせ、存続したのは「じゃんけん」と呼ばれる石拳でした。

 

「じゃんけん」はこどもが発見、伝承し、拡散していった「最終発展形の三すくみ拳」といえるのではないでしょうか。

 

ギリシャ・ローマ時代にも数拳があったとされているので、現在の西洋のじゃんけん(Rock-paper-scissors)と日本のじゃんけんがルールは同じでありますが、直接的関係があるかないかははわかっていません。しかし、世界的に見ても(参照)この「石、ハサミ、紙」という三すくみの形が一番多く用いられ存続しています。やはり「じゃんけん」こそ、拳あそびの最終形態と考えられるのではないでしょうか。

 

※ 参考動画 虎拳 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 

「虎」 四つん這い。

「老婆」 杖を突く動作。

「武将」拳を腰に当てる。

 

虎が老母を襲う、虎の勝ち。

和藤内は虎を退治する、和藤内の勝ち。

武将(和藤内)は親の老婆に頭があがらない、老婆の勝ち。

    という三すくみが成り立っています。


 

語 源

色々な説があり確かではないのですが、、、

 

・ふたつのこぶしの拳 「両拳」(りゃんけん)  から

・石拳(じゃくけん)                  から

・仏教用語の 料間法意(りゃんけんほうい)   から 

 

ではないかと言われています。

 

ルール

・じゃんけんは2人以上であれば何人でもする事が出来ます。
・参加者は向き合い(あるいは円になり)、片腕を体の前に出します。参加者全員で呼吸を合わせ、
「じゃん、けん、ぽん!」の三拍子のかけ声を発し、「ぽん!」の発声と同時に出した腕の先に、自分の決めた任意の「手」を出します。
・「ぽん!」のかけ声の瞬間に手がでず、タイミングが遅れて手を出すと不正となり、その行為は「あとだし」「遅だし」と言われ、やり直しになります。

・この「手」の組み合わせによって勝者と敗者を決定します。

じゃんけんの「手」は指の動きによって表わされ、以下の三つがあります。

手 の 種 類

● グー
五本の指を全て握り、丸く形作ります。親指を他の四本の指の中に入れるかどうかは任意です。グーは「石」の象徴であるとされています。
× チョキ
五本のうち、二本の指(人差し指と中指が一般的、もしくは親指と人差し指。)を伸ばし、それ以外を全て曲げます。チョキは「鋏(はさみ)」の象徴であるとされています。
□ パー
五本の指を離して広げます。パーは「紙」の象徴であるとされています。
※ちなみに欧米のパーでは親指以外の指を離さずくっつけるのが一般的です。

その他の型
上記三つの型の他に、チョキの型にさらに親指を伸ばし、握られた小指と薬指がグー、中指と人差し指でチョキ、伸ばした三本の指でパーを表し、必ず勝てるというものであります(ピストル、グーチョキパーなどと呼ばれたりする)。グーに親指を立てて爆弾など、、、これらは原則的に無効とされ、やり直しになります。
 

勝敗の決めかた

出された手の関係により、勝敗が決定します。
      ・ グーは、チョキに勝ち、パーに敗れる。
      ・ チョキは、パーに勝ち、グーに敗れる。
      ・ パーは、グーに勝ち、チョキに敗れる。

 
※ これは石とハサミと紙の関係から、勝敗が決まっています。(上記図参照)
  「石」は「鋏(はさみ)」では切れないので「石」の勝ち、「鋏」の負け。
  「鋏」は「紙」を切り刻むので「鋏」の勝ち、「紙」の負け。
  「紙」は「石」を包み込むので「紙」の勝ち、「石」の負け。

・じゃんけんの場に、グーとチョキ、チョキとパー、パーとグーしかでていない場合、つまり2つの手しかでていない場合にのみ勝敗が決定します。

・参加者全員が同じ手を出した場合や、じゃんけんの場にグーチョキパーの3手全てがでた時は、勝敗が決定しないので「あいこ(引き分け)」となり、「あいこ、で、しょ」と参加者全員がかけ声をかけ、「しょ」のかけ声と同時に再度、各自任意の手をだし、決着がつくまで、「あいこでしょ」が行われます。

大勢でのじゃんけんでは、負けた人からじゃんけんの場から抜けていき、一番の勝者を決める「負け抜け」や、勝った人から抜けていき、一番の敗者を決める「勝ち抜け」があります。

補足:「最初はグー」について

 「じゃん、けん、ぽん!」の三拍子のかけ声のまえに「最初はグー!じゃんけんぽん!」と参加者が声を発し合わせる事で、タイミングのずれやあとだしを防ぐ事ができます。

 この「最初はグー」が生まれた事により、日本のじゃんけん文化は大きく飛躍しさらなる広がりをみせました。それまでじゃんけんは「タイミングのずれ」という問題をずっと抱えたまま行われてきました。厳密な「あとだし」の境界が参加者自体にも分かりずらかったのです。この「最初はグー」で声を合わせることにより、参加者はタイミングがずれる事はなくなり、より厳密にじゃんけんというゲームを楽しむことが出来るようになりました。現代の日本におけるじゃんけんの広がりはこの「最初はグー」が生まれた事に他なりません。

 この最初はグーを発明したのは日本の偉大なるコメディアン「志村けん」さんです。志村さんがTV「8時だョ!全員集合」の中で「最初はグー」を使いじゃんけんをしていた事で日本中に「最初はグー」が広まりました。

 志村さんがやっているラジオ「夜の虫」に問い合わせをした所、、

「昔、収録(「8時だョ!全員集合」)が終わるといつも飲みに行っていた。最初の頃 はパトロン的な羽振りのいい一人に勘定は任せていが、 毎回それでは悪いので、最後にじゃんけんをして誰が払うか決めるようになった。 しかし皆ベロベロでタイミングが全然合わない。そこで「最初はグーで合わせましょう!」という事でタイミングを合わせた。これはいいと思い、番組でも使った。」

 との事でした。(親切にお答えいただきありがとうございました!)

 今の素晴らしきじゃんけん文化は志村けんさんの発明があったこそなのです。

 

パーの意義

ハサミで石は切れないから、石の勝ち。

紙はハサミで切れるから、ハサミの勝ち。

石は紙でくるめるから、紙の勝ち???

じゃんけんのルールで、ここで違和感を覚える人は多いかもしれません。確かにそうです。

しかし、ここにこそ、じゃんけんの持つ大きなロマンあると主張します。

じゃんけんとは、三すくみ。3者が共存関係を保っている状況です。それは二元論より複雑且つ、お互いを存在を認め、互いの関係により自己が存在しているのです。つまり、じゃんけんとは、相手を征服させ撃破するのではなく、強弱の「関係」をもつのです。その意味で、は、「石」という相手を取り込み、形を破壊することなく包み込み一体となる「紙」はむしろ最強といえるでしょう。

石は強い。しかし、その石に唯一包み込む事ができるのは、ハサミで軽く切れてしまう、薄く大きい紙なのです。

 

ちなみに、上海では、パーは「爆弾」を意味します。手の開きが爆発を想像しやすいですね。ハサミはその導火線を切って、勝ちます。こちらの方が圧倒的にわかりやすいです。

 

しかし、じゃんけんに思いを馳せれば馳せる程、私は日本の「紙」のパーを誇りに思いたいです。

 

 

文化としてのじゃんけん

じゃんけんはとても優れた文化といえます。

無形文化の極みといえるこの文化は、道具も知識も殆ど必要ありません。極めてシンプル。

人種・言語・年齢・性別を超え、遊ぶ事のできるゲームなのです。

 

カナダに本拠地をおく世界じゃんけん協会がその理念の一つとして、「紛争・論争を楽しく安全に解決する手段として・・・」というのがあります。イギリスから本部をカナダに移した理由も、当時のイギリスの危険な情勢から逃れるためと記載されています。

 

戦争では往々に自己防衛という先制攻撃が有利とされ、繰り返されます。

じゃんけんでは先手攻撃、先に手を出せば確実に敗北します。

相手を動きを見て、自分の手を出す。そしてその都度手を変えてかなければなりません。

 

上の「パーの意義」でも述べましたが、じゃんけんは、「関係」で相手に勝利します。

そして関係により、自己が存在します。

絶対価値ではなく、価値の相対。立場の循環がじゃんけんゲームシステムの要といえます。

 

「グーの人」ではなく、「その時だした手はグー」。

10人10色ではなく、1人10色がじゃんけんのマインドといえます。

 

これこそ、これからの世界文化として、大切になっていくのではないかと我々は思っています。

 

 

3すくみ以外の

発展じゃんけん

三すくみのじゃんけん以外に、5種、7種の拳と使ったじゃんけんなどもあります。

複雑かと思われますが、すくみ数が増えても、結局は力関係が「勝つ」か「負けるか」か「あいこ」の3種にわかれるので、慣れると普通のじゃんけんの感覚になります。

 

6種10種のすくみも可能ですが、強い手弱い手が出来てしまいます。お互い強弱関係を均一にするのは奇数のすくみ数になる必要があります。

 

 

5すくみ

じゃんけん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7すくみ

じゃんけん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11すくみ

じゃんけん

 

 



↑日本では最強の「ピストル」が「紙」「スポンジ」に負けてしまう衝撃がありますが、、、。 銃社会ではそれぐらいの扱いなのでしょうか?

 

 

 

驚愕の101すくみバージョンです↓ 

http://www.umop.com/rps101/rps101chart.html

もはや101手は両手、+動きで対応しています。

 


 

確立

じゃんけんは偶然性に多くを支配されるゲームであるという特性から、しばしば確率の問題(設問)などで使われることがあります。「グー」「チョキ」「パー」を出す確率をそれぞれ3分の1とすると、2人での対戦の場合、あいこが重なっても平均すれば、1.5回で勝敗が決着します。

 

1回のじゃんけんで勝つ確率

 

       33.3%

 

 

あいことなる確率

じゃんけんをn人でおこなうとすると、1回の試行であいことなる確率は  1-{2^n-2 \over 3^{n-1}}             となります。

 

 ※ もちろんこれらは、人が完全にランダムな手がだせるという仮定での話です。

 

世界のじゃんけん

リンクにもはっていますが、世界のじゃんけん情勢はもっと豊かで、派手で、遊びを意識しています。

この動画は2009年のじゃんけん世界大会の様子です。

盛り上がりすぎな気もしますが。最終決戦ですので。